2009年7月10日金曜日

PP MØBLERのHans J. Wegner

昨日の記事の続きです。

CARL HANSENのショールームの後、わりと近くにあるオー・ローズ ファニチャーに行きました。PP MØBLER(PPモブラー)や宮崎椅子製作所のダイニングテーブルとイスを中心に扱う小さな家具屋さんです。

◆PP58(価格:120,000円、デザイン:Hans J. Wegner、材質:アッシュ、仕上:ソープ)

このお店で最もお勧めと言われたのが、PP MØBLERのこのイスです。Hans J. Wegnerが引退間際にデザインしたイスで、今まで手がけたイスのよいとこ取りをした傑作だそうです。確かに、背もたれの幅が広いので、長時間座っていても疲れません。また、テーブル下に収まるように、背もたれに比べてアームが細くなっています。床掃除のときは、アームをテーブルに引っ掛けておくことができるそうで、かなり機能的です。それでいて、Yチェアと比べてさほど高価ではありません。
おおげさですが、運命の出会いかも。デザイン面でも実用面でも、今のところ一番好きなイスです。

店長が接客してくださいましたが、とても家具を愛する方のようです。製品の由来や手入れ方法などを熱く語ってくださいました。
Wegnerのイスのうち、機械加工が中心のものはCARL HANSENが、職人が手仕上げするものはPP MØBLERが製作しているそうです。

◆PP70/126(価格:465,000円、デザイン:Hans J. Wegner、材質:オーク、仕上:ソープ)

こちらはWegnerのテーブルです。円形ですが、中央部分に天板をはめ込み楕円形に拡張することができます。夫は拡張可能なラウンドテーブルを探していたので、ぴったり。ただ、直径が126cmと大きいのが問題です。4つのイスを使えるようにという配慮だそうですが、うちには少し大きい気がしています。同じデザインで110cmのテーブルがあればよかったのですが。

◆テーブルの天板のアップ(材質:アッシュ、仕上:ソープ)

このお店での、もう一つの出会いはアッシュ材です。今まで馴染みのない材質でしたが、真白できれいな木目に一目ぼれしました。
デンマークは寒さが厳しいので、木の成長が抑えられて年輪が密になるのだそうです。さらに、PP MØBLERは市場に出回る前の材木を確保しているので、別格だそうです。マグロで言うと大トロ??

O-ROSE FURNITURE

家具の手入れについて店長さんに聞いたので、忘れないように書きとめておきます。
一般的にはオイルフィニッシュは手入れはほとんど必要ありません。ただ、オイルが酸化するため、だんだん黒ずんできます。(その経年変化がきれいという考えもあります。)一方、ソープフィニッシュの場合には、月2回ぐらい石鹸水で拭く必要があります。その代り、アッシュ材は10年たっても同じ白さをキープできるそうです。
状態のよいアンティーク家具はかなりの高値になるそうです。投資の一環と考えて家具を購入する人もいるとか。

まあ、かなりの出費になるので、もしPP MØBLERの家具を買うとしても、当分先になりそうです。

3 件のコメント:

  1. はじめまして。
    実はウェグナーのいすを買おうと計画しているものです。
    でもP&PとCH社の違いが分からなかったので、大変参考になりました。
    どうもありがとうございます。

    自分は北欧関係のことをしていて、ずいぶん長く北欧におりました。
    まだ日本で北欧が人気になる以前から、北欧のいすがいかに優れているか、イギリスのいすと比べたテレビ番組を日本で見たことがあります。
    いすをひっくり返すと分かるみたいなのですが。

    ただ一般家庭では、圧倒的にイケアの家具が一般的で、ここ10年でミッドセンチュリー系の家具にまた人気が出てきたみたいです。
    それで友達の家とかにも、アルネ・ヤコブセンの7とかアントが揃っているのですが、ウェグナーはあまり見たことがないです。
    ヤコブセンは図書館とかでも置いてあるのですが、ウェグナーは歯医者の待合室とか、ちょっと暗い感じで、しかも何十年もたったいすが多いです。

    デンマークのヴィンテージ家具の専門の方の話によると、ウェグナーの家具の方が、職人が手をかけている部分が多いので、購入するのだったら、ウェグナーと聞いたことがあります。
    しかもYチャアではないもの・・・だそうです。
    特に50年代、60年代等、ヴィンテージの家具は、もうヨーロッパでは採ることの出来ない材木で作られているとか、ローズウッドかなんかだったと思います。
    その分、ヴィンテージは価値があると言っていました。
    いずれにしても、新しくても古くても高いですよね。
    それでも家具屋さんで、試しに座ったとき、少し長く座ると、他のデザイナー家具よりも座りやすいことが分かりました。
    すごいなーと、再び、感激しました。

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  2. コメントありがとうございます。北欧に長く住まわれていたとは、羨ましいです。現在は日本にお住いなのでしょうか?

    >しかもYチャアではないもの
    私も複数の方からそう聞きました。Yチャアはもともとダイニングテーブル用にデザインされたものではないとか。
    オー・ローズ ファニチャーの店長は、「YチェアはWegnerが大衆受けを狙って作ったもので、見た目は美人ですが。。」とおっしゃっていましたよ。

    お互い、よいイスを購入できるとよいですね。

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  3. お返事ありがとうございます。
    今はイギリスに住んでいるのですが、やはり北欧のものが好きで、つい目に留まるものは、北欧製のものが多いです。

    日本での北欧への関心が大きくなってうれしいです。
    以前は、スイスに行ったとか、スペイン語を勉強しているとか、スウェーデンの首都はコペンハーゲンだとか、そんな感じでした。
    主人はスウェーデン人ですが、北欧の人たちは日本のものが大好きなんですよね。
    やはり美的感覚が似ているのでしょうか。

    Yチャアがダイニングテーブル用ではないというのは、初めて知りました。
    私も最初はYチェアを狙っていたのですが、専門家の話を聞いて、考え直しました。
    でも確かに美しいですよね。
    座っていることが多いので、本当にいすの大切さを感じます。
    ただテーブルの高さも、いすの大きさもやはり北欧人を中心に作られたものだなーとは思います。
    日本人としては、背は低くないですが、北欧の人に比べたらチビなので、 100パーセント自分に合った家具を見つけるのは難しいですね。

    CHが9月から値段をあげると聞いたので、CH20を考えいたのですが、紹介されたPP58も検討してみます。
    (ちなみにCH20の方が、Yチェアより安いんです。)
    確かにどこかで見たことがあるのですが、そんなに機能を凝縮したいすとは知らなかったです。
    これもまた感謝です。

    ただイギリス、北欧デザイン人気がないことはないのですが、やはり限られてくるので、PP58がどこで展示されているかです。

    多分、日本や北欧のように、中流階級の小金持ちが多いところの方が、こういうものは売れやすいと思うのです。
    それにともなって、技術も伸びるのでしょう。

    ウェグナーの家具は圧迫感がないところが、場所が限られているところほど、スペースがあるような感じを与えて良いと思います。

    本当におもしろいだけではなく、良い情報満載のブログですね。
    これからもよろしくお願いします!

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