2009年10月27日火曜日

ヴェルナー・パントン展

先日、新宿にある東京オペラシティで開催されているヴェルナー・パントン展に行ってきました。Verner Pantonはデンマーク生まれの建築家・プロダクトデザイナーです。プラスチックやステンレスを多用したモダンなデザインが特徴的です。

例えば、こちらの椅子が有名。
panton chair(メーカー:Vitra ヴィトラ)

今回知ったのですが、Pantonは2年間Arne Jacobsen(アルネ・ヤコブセン)の事務所に勤務していたことがあるとか。当時の新素材に着目するあたり、少しだけ共通点を感じました。

VP-Globe(メーカー:Frandsen フランゼン)

照明もデザインしており、復刻版が発売されています。louis poulsen(ルイス・ポールセン)からも、Panthella(パンテラ)などの証明が発売されています。

展示会のポスターとチケット

会期は2009年12月27日までなので、ご興味のある方は足を運んでみてください。
ちなみに、チケットにプリントされているテキスタイルもPantonのデザインです。

大きな展示会ではありません。でも、彼のデザインした空間に入り込むことができたり、一部体験型になっていて興味深い内容でした。

個人的は、印象が強すぎることが難点です。Panton彼の色彩感覚は強烈で、例えば壁一面に赤、オレンジ、紫の照明が並べられている作品もあります。リラックスできるような空間ではないので、長時間いるのは辛い。

2009年10月18日日曜日

louis poulsen本店

コペンハーゲンでlouis poulsen(ルイス・ポールセン)の本店に行ってきました。建物の1階がショー・ルーム、2階がオフィスになっているようです。


思っていたよりも小規模なショー・ルームでした。日本未発売の製品があるかと期待していたのですが、残念ながら見つからず。

PH50(デザイン:Poul Henningsen ポール・ヘニングセン)


Enigma(エニグマ)425(デザイン:内山章一)

日本人デザイナーによる印象的な照明。以前に新宿大塚家具で見て、気になっていました。


デンマークで有名な照明メーカーと言えば、もう一つLE KLINT(レ・クリント)があります。louis poulsenの近くに店舗があったのですが、残念ながらお休みでした。

窓越しに店内をのぞいてみました。

LE KLINTやlouis poulsenの近くでIllums Bolighusの隣に、GEORG JENSEN(ジョージ・ジェンセン)の本店があります。こちらはしっかり営業中。

店内の写真撮影は不可とのことなので、入り口の写真だけ掲載します。憧れの腕時計VIVIANNAを試着してみました。ちょうどよいサイズがあったのですが、長時間使用すると腕が痛くなりそうな構造。仕事向きのウォッチではなさそう。

デンマークの代表的なブランドの本店をめぐり、楽しい一日でした。

2009年10月13日火曜日

Smørrebrød(デンマークのオープンサンド)

デンマークのランチとして有名なのは、オープンサンドです。デンマーク語ではSmørrebrød(スモールブロー)と呼ばれ、バターを塗ったパンという意味だそうです。

旅行中に一度は食べてみたいと思い、ホテルのコンシェルジェにお勧めされたSlotskælderen hos Gitte Kikに行きました。でも有名なお店のため、ちょうどお昼時に来店したら観光客らしき人たちで満席。

そこで、少し歩いてRestaurant & Cafe Nytorvへ。こちらは昔ながらの小さな食堂といった雰囲気のお店です。地元の人たちで賑わっていて、対照的でした。

あとでわかったのですが、150年の歴史があるお店でした。

Fresh smoked salmon served with chives and scrambled eggs(89DDK)

夫が頼んだメニューです。オープンサンドなのに、具がいっぱいでパンが見えない。想像と全然違うものが出てきました。

Roastbeef served with pickles, pickled cucumber, onion and horse radish(69DDK)

こちらは私が頼んだオープンサンドです。見た目は地味ですが、味は一番よかったかも。


Aquavid(アクアビット)と呼ばれるデンマークの蒸留酒。Smørrebrødと一緒に飲むのが習慣だとか。結構アルコール度が高いです。

2009年10月11日日曜日

Illums Bolighus本店

コペンハーゲン最終日はインテリアショップを見て回りました。その中で、特に気に入ったお店がIllums Bolighus(イルムス・ボーリフス)です。コペンハーゲンの中心部、ストロイエと呼ばれる地域にあります。

入り口のディスプレイは黄色で統一されていました。

黄色のスワンチェアとエッグチェアが飾られている。

1階は食器・キッチン雑貨が中心でした。ブランドごとにディスプレイされていて、私の知っている北欧ブランドは、ほとんど揃っています。


GEORG JENSEN(ジョージ・ジェンセン)のコーナー。すぐ隣はGEORG JENSENの本店があるのですが、本店よりも魅力的なディスプレイかも。


Normann COPENHAGEN(ノーマン・コペンハーゲン)のWashing-up bowl(食器洗い容器、デザイン:Ole Jensen オーレ・イェンセン)は、最近日本でもよく見かけます。ちょうどセール期間だったようで、ディスカウントの表示があちこちにありました。


私の好きなブランドの一つ、menu(メニュー)。意外にも、コペンハーゲンやストックホルムの他のお店ではあまり見かけませんでした。ほしい製品がいくつかあったので、ここで買っておけばよかった。


お店の入り口が小さかったので、せいぜいイルムス池袋ぐらいの規模を想像していました。しかし、実際は4階建の大きな店舗。

2階は大型家具が中心です。

Finn Juhl(フィン・ユール)のポエットソファと、ペリカンチェア、それからコーヒーテーブル。


Fritz Hansen(フリッツ・ハンセン)のコーナーもありました。


Hans J. Wegner(ハンス・ウェグナー)のダイニングセットと、louis poulsen(ルイス・ポールセン)のペンダントライト。

4階は照明のコーナーでした。

魚や動物の形の可愛いライトもありました。長く使う家具はシンプルなものを購入したいとは思うのですが、こういったかわいい製品にもついひかれてしまいます。

このお店だったら、一日いても飽きることはなさそうです。今回は時間は時間が足りずに駆け足で売り場を見て回りましたが、もしまた来る機会があれば、十分に時間を取って来店します。

ところで、日本にもILLUMS(イルムス)というインテリアショップがあります。Illums Bolighusと日本のILLUMSの関係を不思議に思い、調べてみました。日本のILLUMSのサイトには「イルムスは、デンマーク随一のインテリアショップ「イルムスボリフス」をベースに、スカンジナビアモダンをコンセプトとした都市生活者のためのライフスタイル専門店」と書かれています。この記載だけでは、イマイチよくわかりません。ロゴとして同じ王冠のマークを使用しているので、何らかの提携関係にはあるのだと思うのですが。

2009年10月9日金曜日

フランス&スウェーデン女性に見る“幸せ観”の違いとは?

日経ウーマンオンラインというサイトで以下の記事を読みました。

フランス&スウェーデン女性に見る“幸せ観”の違いとは?

この記事にはフランス人とスウェーデン人女性が一人ずつ登場します。スウェーデン人女性は、「朝、子どもを保育所に預けるか両親に預けるかして仕事に行き、もちろん残業もするし、家に帰ったら子どもの世話をして、家族の食事の準備をして…」と発言していました。

あれ?在ストックホルムの友人に聞いたり、私が実際に見たスウェーデン人の印象と全く違う。フランスやイタリアほどではありませんが、スウェーデン人もプライベートをとても大切にしているようです。たぶん、残業する人はあまり多くありません。そして、この記事のフランス人のように「仕事の後は友達と集まってパーティーを楽しむわ~」という人も多いはず。

記事の中では、フランス人の事実婚の多さについて言及していますが、スウェーデンについては触れられていません。スウェーデンも事実婚が多数派だと思うんだけどな。。

スウェーデンは女性の就業率が高い分、家事や育児を男女で分担しています。まったくの平等ではないのかもしれませんが、男性の育児休暇取得率は2割だそうでです。日本の男性の育児休暇取得率1.23%なので、それに比べればはるかにマシです。しかし、記事のスウェーデン女性はまるで家事や育児を一身に引き受けてるかのような印象を受けます。

たぶん取材を受けたスウェーデン人女性は少数派だと思います。でも、この記事においては彼女はスウェーデン人女性の典型例のような扱い。とっても違和感を感じます。予備知識なしに記事を見た人は、確実に誤解するんだろうな。

ちょっと愚痴っぽい内容になり、すみません。あまりにも突っ込みどころ満載の記事だったので、見逃せませんでした。

2009年10月4日日曜日

Louisiana Museum of Modern Artのミュージアムショップ

また旅行記に戻ります。9月9日の記事の続きです。Louisiana Museum of Modern Art(ルイジアナ美術館)はミュージアムショップがとても充実しています。かなりの売り場面積と品揃えで、ちょっとした雑貨系のセレクトショップよりも断然見ごたえがあります。


手前に見えるのは、Ditte Fischerがデザインしたデンマーク製のピッチャーと花瓶です。外側が白で内側にカラーがあるのが、私の好み。

Jasmine tea pot and mugs(メーカー:Bredemeijer

こちらはオランダ製の中国茶セット。いろんな意味でインターナショナルです。北欧だけでなく、その他欧州各国の商品も扱っていました。

CO2-venlig barnestol(メーカー:WE:DO:WOOD

竹製の椅子です。普通の木材に比べ、竹は35%ほど多くの酸素を生成するので、エコな素材として注目しているとのこと。


キッチンタオルとルイジアナ美術館のポストカードをミュージアムショップで購入しました。

このあとストックホルムでもたくさんのキッチンタオルを購入して、うちで使うには在庫が余剰気味。そこで、キッチンタオル2枚はおすそ分けすることにしました。ほぼ購入時の価格でYahoo!オークションに出品します。気になる方はぜひのぞいてみてください。

キッチンタオル(メーカー:spira

Yahoo!オークションのページ:http://openuser.auctions.yahoo.co.jp/jp/user/scandinavian_designs
オークション終了日時:12月6日(日)23時台

ちなみに、spiraはスウェーデンのファブリックメーカーです。ホームページ(スウェーデン語のみ)で製品カタログを見ると、大胆な幾何学模様のテキスタイルが多い。以前にアクタス新宿店で違う柄のカーテンを見つけ、気になっていました。でも、この柄の製品を日本で見かけたことはありません。もしかしたら日本未入荷の商品かも。

2009年10月3日土曜日

Kitaniのイベント@新宿高島屋

9月19日に高島屋に行ったら、偶然にもKitani(キタニ)主催のイベントがありました。

キタニは、北欧家具をライセンス生産している日本の家具メーカーです。この日は、キタニの木工職人と張り職人が家具製作の一部を実演するというイベントでした。

木工職人が実演したのは、こちらFinn Juhl(フィン・ユール)がデザインしたエリザベスチェアのアームの制作です。

さすがに実演中は写真撮影を控えましたが、立体的な曲線を持つアームの加工は、相当技術が必要なようです。

こちらは張り職人が実演を行ったソファ。

話によると、新品の制作よりアンティークのリペアの方が手間がかかるそうです。というのも、新品はメーカーが生地の型紙を持っています。しかし、アンティークの場合は型紙はありません。しかも古い生地は長年の使用により製造時から変形しているので、職人が新品の時の形を想像しながら生地を裁断するのだとか。

内部の構造がわかるようにディスプレイされているソファ。

こちらもFinn Juhlのデザインです。

このイベントには、30名ほどのお客さんがいました。私には面白い内容だったのですが、細かい話が多く、途中で飽きてしまった人もいるかもしれません。

Kitani

2009年10月1日木曜日

美しい椅子―北欧4人の名匠のデザイン

先月まで仕事が忙しかったので、久々の更新になってしまいました。

今日から少し余裕ができたので、読み途中だった本を読破しました。
美しい椅子―北欧4人の名匠のデザイン (エイ文庫)美しい椅子―北欧4人の名匠のデザイン (エイ文庫)
(2003/11)
島崎 信
生活デザインミュージアム

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その名の通り、北欧の4人のデザイナー(Hans J. Wegner ハンス・ウェグナー、Børge Mogensen ボーエ・モーエセン、Arne Jacobsen アルネ・ヤコブセン、Finn Juhl フィン・ユール)に焦点を当て、彼らのデザインした椅子を紹介しています。基本的には、一ページに椅子の写真とその解説が載っています。よく見る有名な椅子から私が知らなかった椅子まで、網羅的に紹介されていて、読み応えは十分でした。

それぞれの椅子の特徴部分だけでなく、デザインの経緯や時代背景にまで触れており、結構ディープな内容。また、各デザイナーの生涯やキャラクターなども簡単にまとめられています。興味深かったのは、デザイナーとメーカーの関係でした。Finn Juhlのデザインした椅子が、家具職人ニールス・ヴォッダーによって製作されたのは有名な話。でも、それ以外のメーカーにも作品を提供していたのは知りませんでした。

著者は以前紹介したデンマーク デザインの国―豊かな暮らしを創る人と造形と同じ人です。デザインを愛するあまり(?)、思い入れの強い文章になっています。これは好みが分かれるところかもしれません。