旅行記をちょっと休憩します。先日、東京某所のROYAL COPENHAGENティーラウンジでイベントがあり参加してきたので、その内容を紹介します。
この日は、料理人Frederik Østergaard(フレデリック・オスタガード)氏をゲストに迎え、彼の話を聞きながらロイヤルコペンハーゲンの食器でデンマーク料理をいただくというものでした。
デンマーク・コペンハーゲンのROYAL COPENHAGEN本店には、The Royal Cafeが併設されており、そこでSMUSHI(スムーシ/スムシ)というメニューが提供されています。これはデンマークの伝統料理smørrebrød(オープンサンド)と日本のsushi(鮨)を組み合わせたネーミングで、名前のとおりsmørrebrødにスシのテイストを加えた料理です。
Østergaard氏はThe Royal Cafeのオーナーの息子で、SMUSHIの創作にかかわっています。そこで、彼がゲストに呼ばれた模様。
先月コペンハーゲンに行ってきましたが、時間がなくてThe Royal Cafeに行くことはできませんでした。SMUSHIもとても気になっていたのですが、一般的なsmørrebrødを食べることを優先しました。ちょっと不完全燃焼だったときにこのイベントの存在を知り、いそいそ出かけてきました。
当日のスケジュールは、Østergaard氏の講演とSMUSHI調理の実演、それからSMUSHIの試食でした。講演は、北欧の食文化の歴史と近年の傾向がメイン。私以外の参加者でこのテーマに興味ある人はいるのだろうか?と思いつつ、がっつりメモをとらせてもらいました。
今まで北欧料理は他の国からあまり注目されていませんでした。しかし、8年ぐらい前からだいぶ状況が変わってきています。実際、コペンハーゲンのレストランNoMaはミシュランで2つ星を獲得しており、英国で発行されたThe S.Pellegrino World's 50 Best Restaurantsでは、第3位にランクされています。この理由ですがØstergaard氏が言うには、フランス、イタリアで修業していた北欧の料理人が自国に戻り、従来の伝統にとらわれず、地元の素材を使った自然でヘルシーな料理を作り始めたからだそうです。
実演中のØstergaard氏
長身で顔が小さくシェフとは思えないルックス。あと少し足が長ければ、俳優と間違えそうです。
彼は若干20歳。でも、今までロンドン、デンマーク、上海のレストランで修業をしてきており、1年ほど前から日本に滞在しているそうです。割烹から居酒屋まで幅広いジャンルで修業中だとか。
SMUSHI 4種: Smoked Salmon-egg salad with herbs-horseradish, Potatoes-pea cream cheese smoked bacon pea sprouts & red radish, Roastbeef-pickles-fried onion cress, Meatball-pickled cucmber-chives mayo
SMUSHIはふつうのsmørrebrødよりもだいぶ小さいのですが、これもスシの影響だそうです。特にSmoked SalmonのSMUSHIは異端で、日本の巻き寿司のよう。
一つのSMUSHIが複雑な食材で構成されているのも、伝統的なsmørrebrødと違う印象でした。
デザート:Apple compote with whipped cream & caramelized rye bread
上に載っているのは、ライ麦パンをキャラメリゼしたもの。酸味がありやわらかいコンポートと好対照。
Østergaard氏によると、デンマーク料理にはライ麦パンをアレンジしたものがいろいろあります。たとえば、ベーコンを炒め、細かく砕いたライ麦パンとラディッシュを加えたトッピングがあるとか。これを聞いて思い出したのが、RESTAURANT JACOBSENで食べた肉料理。不思議な食感の正体はライ麦パンだったのかもしれません。
ところで、今回のイベントは、ロイヤルコペンハーゲンの新シリーズ「ブルーコペンハーゲン」を記念したものです。イベント中は、ブルーコペンハーゲンの即売会も行っていました。
ということで、参加者は料理に興味のある人、ブルーコペンハーゲンに興味のある人に二分されていたようです。盛りだくさんなイベントなだけに、参加者のモチベーションがばらつくのは仕方ないのかな。
イベント終了後、Østergaard氏とちょっとお話しました。気さくな方で、私の拙い英会話に快く付き合ってくれました。ちなみに彼は流暢な英語を話します。北欧の人の英語力の高さには、いつも驚かされます。
その時に伺ったのですが、1年後にSMUSHIを紹介する店を日本でオープンする予定だそうです。場所はたぶん銀座になるとのこと。オープンしたらぜひ足を運びたい。
2009年9月10日木曜日
LOUISIANA CAFÉ@Louisiana Museum of Modern Art
昨日の記事の続きです。この日は、ランチをルイジアナ美術館内のカフェLOUISIANA CAFÉで食べました。
椅子は、Arne Jacobsen(アルネ・ヤコブセン)のセブンチェアです。スモーキーな色遣いが絶妙。
Sandwich: grilled marineted chicken breast, parsley cream(79DDK)
サンドイッチとオレンジジュースだけの軽い昼食にしました。ビュッフェもあり、こちらは118DDKでした。
庭園からカフェを眺める
観光客に加え、地元の人らしきご家族もいました。広い庭園で子供たちが思う存分遊んでいます。
オープンテラス
こちらで使われている椅子はKasper Salto(キャスパー・サルト)のアイスチェアでした。
以前紹介した北欧デザインをめぐる旅―Copenhagen・Stockholm・Helsinkiで、著者は「世界で一番好きな美術館」としてこの美術館を挙げていました。全く同感です。
展示面積や作品点数でここを凌ぐ美術館は世界でいくつもあると思います。でも、この解放感あふれる雰囲気は他の美術館にはないものです。
ところで、予想よりもルイジアナ美術館が大規模だったため、この日は1日ルイジアナ美術館で過ごしました。この後、Ordrupgaard MuseumでFinn Juhl's houseを見る予定だったのですが、今回は泣く泣くスキップしました。北欧デザイナーの中で一番好きなFinn Juhl。もしまたコペンハーゲンに来る機会があれば、ぜひFinn Juhl's houseに寄りたいです。
椅子は、Arne Jacobsen(アルネ・ヤコブセン)のセブンチェアです。スモーキーな色遣いが絶妙。
Sandwich: grilled marineted chicken breast, parsley cream(79DDK)
サンドイッチとオレンジジュースだけの軽い昼食にしました。ビュッフェもあり、こちらは118DDKでした。
庭園からカフェを眺める
観光客に加え、地元の人らしきご家族もいました。広い庭園で子供たちが思う存分遊んでいます。
オープンテラス
こちらで使われている椅子はKasper Salto(キャスパー・サルト)のアイスチェアでした。
以前紹介した北欧デザインをめぐる旅―Copenhagen・Stockholm・Helsinkiで、著者は「世界で一番好きな美術館」としてこの美術館を挙げていました。全く同感です。
展示面積や作品点数でここを凌ぐ美術館は世界でいくつもあると思います。でも、この解放感あふれる雰囲気は他の美術館にはないものです。
ところで、予想よりもルイジアナ美術館が大規模だったため、この日は1日ルイジアナ美術館で過ごしました。この後、Ordrupgaard MuseumでFinn Juhl's houseを見る予定だったのですが、今回は泣く泣くスキップしました。北欧デザイナーの中で一番好きなFinn Juhl。もしまたコペンハーゲンに来る機会があれば、ぜひFinn Juhl's houseに寄りたいです。
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デザイン-Arne Jacobsen,
現地情報-デンマーク,
生産地-デンマーク,
店舗-飲食店,
美術館・博物館,
旅行記
2009年9月9日水曜日
Louisiana Museum of Modern Art(ルイジアナ美術館)
コペンハーゲン郊外にあるLouisiana Museum of Modern Art(ルイジアナ美術館)に行ってきました。コペンハーゲン中央駅から電車で30分のHumlebækが最寄駅です。
あまりに素敵な場所だったので、これから3回に分けて写真を掲載します。
美術館入り口
入り口はこじんまりしていて、少し意外でした。
私は絵画や芸術はあまり詳しくなく、この美術館は建物を見ることを主目的に訪れました。
期待以上に素敵な建物でした。とてもリラックスした気分で展示を鑑賞できる。
建物の変遷については、以前紹介したデンマーク デザインの国―豊かな暮らしを創る人と造形に詳しく載っています。これによると、もともとは17世紀に建設されたスウェーデン風ヴィラで、日本の影響を色濃く受けた建築物だったそうです。1958年に開館してから5回も拡張工事を行っています。窓からの景観を損なわないため、建物の一部は地下に拡張されました。
デンマークなのに「ルイジアナ」という名なのは、美術館設立者に関係する女性に由来する、という噂もあるとか。
窓から見える風景が絵画のようです。
庭園から美術館の本館を撮影。
建物は海に隣接していて、庭からはみごとな風景を見ることができます。
あまりに素敵な場所だったので、これから3回に分けて写真を掲載します。
美術館入り口
入り口はこじんまりしていて、少し意外でした。
私は絵画や芸術はあまり詳しくなく、この美術館は建物を見ることを主目的に訪れました。
期待以上に素敵な建物でした。とてもリラックスした気分で展示を鑑賞できる。
建物の変遷については、以前紹介したデンマーク デザインの国―豊かな暮らしを創る人と造形に詳しく載っています。これによると、もともとは17世紀に建設されたスウェーデン風ヴィラで、日本の影響を色濃く受けた建築物だったそうです。1958年に開館してから5回も拡張工事を行っています。窓からの景観を損なわないため、建物の一部は地下に拡張されました。
デンマークなのに「ルイジアナ」という名なのは、美術館設立者に関係する女性に由来する、という噂もあるとか。
窓から見える風景が絵画のようです。
庭園から美術館の本館を撮影。
建物は海に隣接していて、庭からはみごとな風景を見ることができます。
2009年9月2日水曜日
Royal Bar@SAS Royal Hotel
Radisson SAS Royal Hotelのロビーの一角は、Barコーナーになっています。小さなスペースですが、Royal Barという店名があります。
この写真は、ロビー中央の螺旋階段から撮影しました。椅子はArne Jacobsen(アルネ・ヤコブセン)デザインのスワンチェアとセブンチェア。
スワンチェアは「かわいい」というイメージを持っていました。でも、こうして赤と黒で統一した店内を見るとかっこいい。まさにデニッシュモダンな内装。
Grape Sensation: grapes, dark rum, lime juice(125DDK)
季節のカクテルをいただきました。決して安くないお値段ですが、これは場所がら仕方ない。
この写真は、ロビー中央の螺旋階段から撮影しました。椅子はArne Jacobsen(アルネ・ヤコブセン)デザインのスワンチェアとセブンチェア。
スワンチェアは「かわいい」というイメージを持っていました。でも、こうして赤と黒で統一した店内を見るとかっこいい。まさにデニッシュモダンな内装。
Grape Sensation: grapes, dark rum, lime juice(125DDK)
季節のカクテルをいただきました。決して安くないお値段ですが、これは場所がら仕方ない。
2009年9月1日火曜日
Kunstindustrimuseet(工芸博物館)
コペンハーゲンにはいくつもの美術館、博物館があります。その中の一つ、Kunstindustrimuseet(Danish Museum of Art & Design 工芸博物館)に行ってきました。先日紹介したBredgade通り沿いにあります。
Bredgadeを歩いていて素敵な建物を発見。と思ったら、そこが目的の工芸博物館でした。もともとは1757年に建設された病院の建物を1926年にKaare Klint(コーレ・クリント/コーア・クリント)が改築し、回廊式の博物館にしたそうです。
172(メーカー:LE KLINT レ・クリント)
入ってすぐの場所に、照明の製造工程の展示がありました。以前紹介したように、LE KLINTの照明はプラスティックペーパーを職人が手で折っています。巨大な模型でその工程を示しています。
ちなみに、この美術館をつくったKaare Klintは、LE KLINT社を設立したKlint家の一員。それで、LE KLINTの照明が大々的に紹介されているのでしょう。
PHグランドピアノ(デザイン:Poul Henningsen ポール・へニングセン)
Poul HenningsenはPH5など照明で有名なデザイナーですが、ピアノもデザインしています。このほかにも有名デザイナーの椅子がたくさん展示されていました。
デンマークのモダンデザインに混ざってSonyのAIBOを発見しました。ちょっと嬉しい。
この博物館では、近代だけでなく16~19世紀の北欧、それからアジアのコーナーもあります。中国や日本の工芸品が展示されているのですが、華美な中国製品よりも簡素な日本製品のほうが北欧のデザインに近いという印象を受けました。北欧の家具が日本の住宅と親和性が高いのも納得です。
博物館内のカフェ
椅子はHans J. Wegner(ハンス・ウェグナー)がデザインしたPP701で、照明はmarimekko(マリメッコ)のファブリックを使ったLE KLINTのペンダントライトです。カフェから見える中庭も素敵でした。
ミュージアムショップ
こちらも小さいながら素敵な品揃えでした。
街中にある小さな博物館を想像していたのですが、期待を上回る規模と内容でした。
Bredgadeを歩いていて素敵な建物を発見。と思ったら、そこが目的の工芸博物館でした。もともとは1757年に建設された病院の建物を1926年にKaare Klint(コーレ・クリント/コーア・クリント)が改築し、回廊式の博物館にしたそうです。
172(メーカー:LE KLINT レ・クリント)
入ってすぐの場所に、照明の製造工程の展示がありました。以前紹介したように、LE KLINTの照明はプラスティックペーパーを職人が手で折っています。巨大な模型でその工程を示しています。
ちなみに、この美術館をつくったKaare Klintは、LE KLINT社を設立したKlint家の一員。それで、LE KLINTの照明が大々的に紹介されているのでしょう。
PHグランドピアノ(デザイン:Poul Henningsen ポール・へニングセン)
Poul HenningsenはPH5など照明で有名なデザイナーですが、ピアノもデザインしています。このほかにも有名デザイナーの椅子がたくさん展示されていました。
デンマークのモダンデザインに混ざってSonyのAIBOを発見しました。ちょっと嬉しい。
この博物館では、近代だけでなく16~19世紀の北欧、それからアジアのコーナーもあります。中国や日本の工芸品が展示されているのですが、華美な中国製品よりも簡素な日本製品のほうが北欧のデザインに近いという印象を受けました。北欧の家具が日本の住宅と親和性が高いのも納得です。
博物館内のカフェ
椅子はHans J. Wegner(ハンス・ウェグナー)がデザインしたPP701で、照明はmarimekko(マリメッコ)のファブリックを使ったLE KLINTのペンダントライトです。カフェから見える中庭も素敵でした。
ミュージアムショップ
こちらも小さいながら素敵な品揃えでした。
街中にある小さな博物館を想像していたのですが、期待を上回る規模と内容でした。
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